南西レコード

消えゆく文化

なかなか更新率の低いここ最近の毎日ですが、それはそれで人生を頑張っている一つの側面として大目に見て下さい。南西レコードです。

さて、シマの娘さんにとても可愛い子がいます。↓父親の肩に摑まっているこの娘さんなんですが。
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ちょっと前に行われたうちのシマの古謡保存会の練習でその父親について来てて、ただ居るだけではなくて歌のわかるところは一緒に歌ったりしていました。すげえ。

古謡保存会で行っているのは、シマのユンタ・ジラバの保存と継承。
「ユンタ」「ジラバ」とは、八重山諸島の歌謡形態の一種で、農作業時など日常生活の場でかつては広く歌われていたもの。無伴奏で男女の掛け合いによることをその基本とします(太鼓で拍子をとったり、男女混合または同声のみの掛け合いであることももちろんあります)。

近年の沖縄ブームを発端とする三線愛好者の爆発的増加に伴い、八重山の節歌は各流派の研究所を通して幅広く浸透しています。しかし、この「古謡」と称されるユンタ・ジラバはまさに風前の灯火。三線音楽のような華やかさを感じられぬ若者からは「年寄りが歌う古臭いもの」として捉えられ(ていると思う)、敬遠されているのが実情。

いやいやしかし、ユンタ・ジラバとはとても楽しいものなんですよ。皆の声が一つにになり、それが寄せては返す波のような声の掛け合いをつくり出した時には、脳内麻薬が多量に分泌されることは間違いなし。酒に頼ることのないトリップが可能となる(こともあると思う)のですよ。

その継承者は明らかに減少傾向。うちのシマの古謡保存会も、そのメンバーの大半はお年寄り先輩の方々。60代~20代は、各世代から1人~2人ずつが辛うじて参加している程度。たったそれだけの人数で、後世のシマにこの文化をどう伝えていけばいいのだろう。そんな状況だから、写真の娘さんに対してはとても頼もしく感じるのと同時に、将来愛する文化が消えゆく過程を最後に見届ける者の一人になってしまうのではないか…という不吉な予測も背負わせてしまいそう。

ユンタやジラバは、芸術化が著しい三線の節歌とは違い、「感情の発露を体現させる装置」としての側面を充分に残しているジャンルであると思います。それは生々しいシマの生活の雰囲気が滲み出たもの。そして、平成23年現在は、かつての普段の生活の中でユンタ・ジラバを歌ってきた世代がギリギリで生存している状況。シマの人々は、もしも村が好きなら、シマを愛するなら、余計なことは何も考えずにユンタ・ジラバに向き合うことが必要である・・・とも思う。古のシマの日常の雰囲気に触れる為にも。
……という偉そうなことを、シマの友人の誰にもこのブログの存在を教えていない状態で呟くのは全く無意味なことである。と、いうことは重々承知しております。すみません。

私は本来、歌や芸能に対して「保存する」というスタンスで向き合うことがあまり好きではない。特に、ユンタやジラバのような民俗の日常っぽい、泥臭いものに関してならなおさら。
なんか「自分の存在は先人からの連続である」という事実が見事に欠落しているような印象を、私はどうしても持ってしまう。自分らを先人から切り離し、上から目線で先人を見下ろしているような。
この辺りがまだうまく言葉にできないんですが、いずれゆっくり考えてみたいです。
照屋林助も「芸能を保存すると、それがその行き詰まりとなる」といった旨のことを言っていたという。それに上手く繋げられる意見となるかは、正直ちょっとわからないけど頑張ります。

古謡保存会に関して言えば、「シマのかつての雰囲気を保存・継承する」という意義が成り立っているはずである、と自分勝手に解釈して良しとしたい。自己中ですかね。

*

そして、そんな中で重大な事実が。
上の写真に写っている父親先輩に、このブログの存在がバレていました。
この前の集まりの時に、「南西レコード君、君は『南西レコード』なるウェブログを所有・管理し、それに日々のよしなし事をそこはかとなく書きつくっているだろう(・∀・)」と言われました。すみませんすみません(T_T)人生頑張ります。


寝よう。
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by kooheeee | 2011-10-18 23:55 | シマに暮らす

石垣島東海岸の某集落からいろいろお送りします。
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