南西レコード

祖母、病院へ行く。

私の祖母は、とても誇り高い。そのプライドでもって今までなんとか元気に暮らしている。
そして、そんな祖母が現在絶賛入院中です。

8月22日
夜、ヤボ用で沖縄に行っていた私がシマに帰ってくると、祖母宅には従姉と祖母が2人でいた。
祖母はちょっとぐったりしている。なんでも今日、祖母は体調がすぐれなかったらしく従姉が病院に連れて行って来たのだとか。医者に「入院しても良いけどどうする?」と問われ、祖母はすかさず「いや、絶対家に帰る(`д´)!!」と言ったのだと。相変わらずであることよ。そして祖母の状態を受けて、用事で沖縄に行っている西表島の叔母も急遽最終便で帰ってくることにしたらしく、やがてシマに到着するとのこと。

8月23日

今日は昨日に比べ、祖母は体調が安定している様子。
しかし午後5時半過ぎに、祖母と一緒にいる西表島の叔母から電話が入る。「ばあちゃんを一緒に病院に連れて行こう。すぐにシマに帰ってきてくれ」とのこと。なんでも午後3時くらいからまた体調を崩し始めたとのこと。「私が職場からシマに帰るだけで20分はかかるよ。救急車呼んだ方が良いんじゃない?」と問うと、叔母曰く「ばあちゃんが『それだけは絶対に嫌だ(`д´)!!』と言っている」とのこと。まったく、相変わらずであることよ。

机上を散らかしっぱなしのまま職場を飛び出し、ダッシュでシマの祖母宅へ。祖母は呼吸も荒く、かなりキツそうに横になっている。これはなかなか急を要する状態だろう。救急車を呼ぶのが妥当な線だ。その方向で行けるよう、どうにか仕向けてみよう。
私「ばあちゃん、救急車の方が良いんじゃない?車に乗れないとばあちゃん病院に連れて行けないよ?」
祖母「だあ!起くしぇー(`д´)!!」
はい。無駄な抵抗してすみません。しかしシマの先輩からスマムニ(シマ言葉)で怒鳴られるのは一種の快感でもある。まあそれはさておき、叔母と2人で祖母の両脇を抱え、ベッドから起こす。
祖母「だあ、グサン(杖)むちく(`д´)!!」(杖持ってこい!)
叔母「はいはい、杖ね。これでいいね?」
祖母「うれえあらぬ(`д´)!!」
祖母は家用とお出かけ用で杖を使い分けている。
ちなみに、お出かけ用の杖は花柄で可愛い感じである。
私「いいから、早く車に行こう!」
祖母「やー、クーラー消しゃー(`д´)!!」
……という感じでどうにか祖母を家から出して車に乗せ、倒した助手席に寝かせる。
私は時速80キロを出すことを目標にして病院まで車を飛ばし、前方の車やトラクターを追い越しまくり。その間祖母は苦しそうに、数回嘔吐。息が荒い。叔母が祖母に「ばあちゃん、もうちょっとで病院に着くからね」と、ずっと話しかけている。

10分ちょっとで病院に着き、祖母は速攻でERへ。
看護師に祖母の病状の説明をし、入院手続きを進める。
祖母が医者に診てもらってる間、アクエリアスを買って叔母と飲む。気が張っているからだいぶ喉が渇いた。叔母と2人、「まったく、うちのばあちゃんは…」と呆れて苦笑する。

しばらくすると、医者が救急室から出てきた。
叔母「容態はどうでしょうか…」
医者「肺に水が溜まってしまっていて、心臓にかなり負担がかかってしまっています。一応心臓の調子を整える薬を投与しますが、この薬が効かなかった場合、延命措置となる人工呼吸器を使わないと30分もちません。延命措置について、ご家族ではどのように話されてますか?」
まじかよ。こんな時に限って、長男伯父の夫妻は親戚廻りの為に徳之島に行っている状態。他の娘たちもみんな島外に嫁いでいるのだ。

そして致命的なのは、祖母が延命措置反対派であることだ。祖父が2年前に亡くなった時も、祖母は延命させずに自宅で最期を迎えさせることをずっと望んでいた。

まさに究極の選択…。しかし、家族がほぼ居ないこんな状態では延命措置を選ぶしかない。その意思を医者に伝え、祖母は集中治療室へ。明日には私の母も含め、娘たちを皆召集することに。

そして、予想以上に祖母の容態が良くないことよりも、そんな状況でもしっかり性格を崩さない祖母に対して驚きを隠せない叔母と私であった。


8月24~25日

そしてこのタイミングで、私は1泊沖縄へ出張。最悪であるよ。
出張から帰った夜、空港から直接病院へ。幸い、祖母は25日夕方には人工呼吸器を外すことができたようだ。家族も皆祖母の傍で見守っている。

そして私が祖母に近づいて行くと、祖母の第一声は、
「やーげさーりはりゃ~(´д`)」(家に連れて行け~)
でした(笑)


8月26日
仕事が終わると、すぐに病院にいる母から呼び出される。
とりあえず病院に行って祖母に会うと、昨日よりもだいぶ元気そう。会話も普通にできている。順調に回復しているのか。とりあえず一安心。
しかし母の話によると、「脈拍数が高すぎて、心臓に負担がかなりかかっている状態。それを整える薬を使ったが、効果がない。このままだと、今晩中に心臓が止まってしまうかもしれない」との説明がさっき医者よりあったとのこと。まじか。
「ばあちゃん、あんなに普通に話しをしているのに、今晩が峠なんて…」と、涙ぐむ母。
油断してたら私も泣いてしまいそうだ。

電気ショックを与えて強制的に心臓の動きを整える方法もありはするのだそう。しかし、もう祖母の老体にそんな負担はかけられない。だから、もうあとは祖母の生命力を信じよう、と。それで話はまとまる。

祖母に心配をかけないよう、家族全員で祖母の前に立つことはせず、みんな交代で祖母と話をしに行く。祖母は「台風が来るみたいだから、家が心配さ~」と言う。まったく、こんな時にも祖母は祖母であるよ。

しかし、午後10時に近づく頃から祖母の脈拍数も血圧も正常値に近づいてきた。

この日は家族皆で病院に泊まり、いろんな話をする。
祖母はきっと大丈夫。


8月27日
朝、祖母の容態はかなり安定してきた。さすが過去に2度死線を越えてきただけある。大した生命力だ。
夕方には身体に繋がれる管の数もぐっと減った。


8月28日
今日の午前中で、祖母は特別処置室から相部屋の普通の病室へ引っ越し。顔色も良くなってきていて食欲もある。とりあえずは、本当に大丈夫そう。家族とも退院後のことについて話し合うようになった。
祖母は相変わらず「早く家に帰りたい」と言う。その為にもしっかり休んで、早く元気になりましょうね。ばあちゃんから聞いておきたいことは、まだまだ山のようにあるのだから。


…と、いうこの1週間でした。
人生山あり谷ありです。明日も頑張ろう。
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by kooheeee | 2011-08-29 00:58 | 祖母

石垣島東海岸の某集落からいろいろお送りします。
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