南西レコード

訃報:仲宗根幸市先生

4月24日未明、琉球弧の民謡研究の第一人者、仲宗根幸市先生が亡くなりました。享年70歳。

その日の午前5時40分頃、先生は那覇市の自宅近くの路上で交通事故に遭ってしまったとのこと。

仲宗根先生には一度だけお会いしたことがあります。私が先生のご自宅に押し掛けて話を伺っただけなんですが。

先生の著書の中に、奄美から流れてきた沖縄の歌の一つとして、渡名喜島に伝わる「道之島節」が紹介されてまして。

道之島節。徳之島が発祥と言われる「みち節」系の歌ですね(「みち節」は「二上がり節」「はやり節」「井之ぬいびがなし」とかシマによって様々な呼称を持つが、そんな話はまたいずれ)。

呼び方は数あれど、いずれのシマでも、人が病で伏しているときの伽歌として、または人が亡くなった時の哭き歌としての役割を持つ、旋律も歌詞も哀切感に満ち満ちた名曲です。

その「みち節」系の歌が徳之島の北方である奄美大島では「徳之島節」として、南方の沖永良部島では「犬田布嶺(いんたぶれー)」として伝わっているのは南西諸島の常識ではありますが。

それが沖縄諸島の渡名喜島に「道之島節」として伝わっていることを、仲宗根先生が発掘されたんですね。

で、私はその道の島節がどうしてもどうしても聴いてみたくて、先生に音源を持ってないかどうか訊きに行ったのですが。
先生もその音源を持ってはおらず。「あれは県の調査としてやってたときのだから、県が保管してるかも。ちゃんと残ってると良いけど」とのことでした。

*

先生からはその時に、その他のいろいろな話も聞きました。
先生が主宰した「しまうた研究会」のこと、同じく主宰した「マイクなし民謡コンサート」のこと、現在の南西諸島民謡界が抱える様々な問題のこと…。
いずれも興味深い話ばかりでした。もっと聞いておくんだった。後悔先に立たず。

*

仲宗根幸市先生のご冥福をお祈りいたします。


送れくれ伝馬 白潮がでぃ送れ 白潮乗ん出せば 御風頼ま

(うくれくれてんま しらしゅがでぃうくれ しらしゅぬんじゃせば みかでたぬま)

送ってください、伝馬船よ。白潮の立つところまでは。そこを乗り越えれば、御風にたのみましょう。
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by kooheeee | 2012-06-07 00:00 | しまうた

石垣島東海岸の某集落からいろいろお送りします。
by nanseirec
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